CASE STUDY事例紹介


官公庁・自治体向け事例
クライアント:千葉市経済農政局農政部

千葉の成功事例から学ぶ!地元のつながりを深める地産地消プロジェクト

公開日:2024.02.01
ご担当者様:千葉市経済農政局農政部 農政センター農業生産振興課
千葉市農産物の地産地消プロジェクト「千葉市つくたべ」

千葉市つくたべプロジェクト再始動

 千葉市が2016年よりスタートした地産地消推進事業「千葉市つくたべ」プロジェクトだが、2020年頃、SNS・HPでの情報更新などの動きが鈍化しており課題を抱えていた。委託期間とは異なるタイミングではあったが、再始動の相談をいただき、2022年1月よりプロジェクトを進めることとなった。

「千葉市つくたべ」事業とは
改めて「千葉市つくたべ」とは、「千葉市でつくって千葉市でたべる」をコンセプトに、市内農産物の近距離消費拡大を目指す地産地消プロジェクト。市内の生産者が栽培するこだわり野菜を、市内の飲食店や小売店でおいしく食べられる取り組みで、「農業が近くにある豊かな生活」の実現を目指した活動のことである。

業務委託1年目のミッション

 ホームページの情報最適化と千葉市つくたべBOXの販売  市の委託事業は通年で取り組まれており、毎年度3月31日を持って委託期間が終了する。本案件は、12月に相談があり、残り3ヶ月で実現可能な範囲での相談をもらい、まずは、既存の公式HPの情報をメンテナンスして最新情報を掲載すること、そして市内農産物の消費拡大につながる販売を実現することだった。

コロナ禍でも、実現可能な地産地消とは?

※飲食店・小売店への出荷がなくなり、行き先を失った野菜(イメージ)

 プロジェクトが発足された当時からの目的であり課題でもある「地産地消を推進」を実現するため、千葉市内の生産者のネットワークは構築できていたが、収穫された野菜の行き先候補である市内飲食店・小売店への連携が非常に困難な状況にあった。
 なぜなら、コロナウイルス感染症の拡大防止のため、市内に限らず日本中で、密閉空間、密集場所、密接場面という条件が同時に重なる場所へ足を運ぶことを控える動きがあったからだ。 営業を続けられるか分からない飲食店や小売店に向けて、市内農産物を大量に仕入れて販売してもらうわけにはいかない。一方で丹精込めて育てていた野菜たちはすくすくと育ち、毎年のように、その季節には、収穫時期を迎えていた。
 このままでは行き場を失ってしまう野菜たちを見届けることしか出来ないため、少しでも地産地消に貢献できる取り組みはないかと、千葉市の担当者と議論を重ねて生まれたのが 「千葉市つくたべBOX」である。

市内農産物を詰め合わせた「千葉市つくたべBOX」の販売をスタート

※市内の農家さんが栽培した十種以上の採れたて野菜を詰め合わせたBOX

 本製品の特徴は、近隣市内の生産者が、完熟するまで育てた野菜を、とにかく新鮮なうちになるべく近くて、新鮮なうちに食べてもらえる市民の人たちに向けて販売し、宅配便を利用して届けること。  
 我々が千葉県内で行う事業の一つとして、「やさいバス(地域内ローカル物流サービス)」を行っていることから、千葉市の地産地消の取り組みへの賛同を募り、10品目前後の野菜を集め、それらを箱詰めして、市民の自宅まで商品を配達するフローを構築し、まずは50箱の野菜詰め合わせBOXの販売・発送を行うことができた。

EC機能のないHPでも、市民に「届けたい」想いに応えられる。

 「千葉市つくたべ」HPは、市の取り組み、生産者、飲食店の情報を発信していくためのホームページであった。(2021年12月時点) このままでは、商品を販売したくても、決済機能がなく、注文を承ることも届けることもできなかったが、限られた環境下でこの取り組みを実現させるため、注文決済ではなく、購買希望の連絡をもらう形で、専用の問い合わせフォームを構築し、販売期間と販売点数を限定し、希望を募るところから開始した。
過去に販売した実績がなかったこともあり、まずは試験的に先着50箱限定で販売をしてみたが、予想以上の反響をいただき、あっという間に予定数を上回る申し込みを募ることに成功した。 事務局として購買希望者からの問い合わせ対応も丁寧に行い、また、購買者に届けたい地元の生産者情報、野菜情報等は、同梱チラシを作成し、商品と合わせてお届けした。

発送後のアフターフォローも丁寧に

※野菜ボックスと合わせて、同梱チラシを作成し届いた商品を深く知り、楽しく料理をしてもらう販促物

 野菜の調達から、野菜の箱詰め・梱包、伝票作成、発送作業まで、初めての試みではあったが、我々が自社でも行っている野菜BOXの販売経験を活かし、市内の協力会社と連携しながら、無事に全件への発送を完了することができた。 野菜BOXは、ただ野菜だけが箱詰めされているわけではなく、
・千葉市内の、どの農家が栽培した野菜なのか商品の特長や生産者の紹介
・その野菜はどんな食べ方がおすすめなのかがわかる、料理レシピ
・市内飲食店のシェフがつくるオリジナル料理レシピ ・市長から購買者へ向けた感謝のお手紙
これらの販促物を同梱し、普段あまり料理をされない方が購入された場合でも、楽しみながら購入した野菜を食べてもらえるような工夫をして、商品開発を行った。
また、お届けした商品に問題がなかったか、どんなところに興味関心を感じたのか、届いた商品の味や品質は問題がなかったか、など、購買者のニーズや要望を聞き出し、次回の販売につなげていけるよう、購買者向けに専用のアンケートを設計し、それらの回答への協力を促すアプローチまでを実施した。

担当者とのディスカッションを繰り返しながら、サービスの最適化を図る。

短い期間の中で、多くの人と関わりながら実行していくことは、委託要件に細部まで記載されていたとしても、双方に過去の実績や経験が無いプロジェクトの実行は、決して容易ではない。そこで、我々はひとつひとつの要件に対し、進め方や内容を説明した上で、それぞれ納得をしてもらいながら進行していくことを心がけていった。3月末まで、あっという間に期間は終了したが、成功したこと、今後への課題が明確になったことなど、有意義なプロジェクトとして、関わることができた。おかげさまで、2022年度の委託へと、継続して相談をいただくことにも繋がった。

事例紹介

地域の特産品を活かした販売戦略やSNSの効果的な活用など、市民の共感を得るための実践的な手法、成功事例について、詳しく聞きたい方は、ぜひベジタスグループまでご相談ください。

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